日本から撤退相次ぐフードデリバリー

日本から撤退するフードデリバリー

新型コロナウイルスの影響で、フードデリバリーは都市部を中心に大きな伸びを見せました。
ウーバーイーツを筆頭とするさまざまな外資のサービスが、日本にも進出してきたのです。
しかし、コロナ禍が落ち着いてくると次第にフードデリバリーサービスの淘汰が行われるようになり、日本から撤退する企業も出てきました。

たとえば、ドイツから入ってきた「フードパンダ」は2022年1月を持って撤退することになりました。
日本に進出してきてから1年半程度のサービス提供となり、早い段階で撤退の決定を下しました。

また、中国から入ってきたタクシー配車サービスである「DiDi」は、2022年5月にっフードデリバリー関連のサービスを週龍すると発表しています。
このサービスは2年程度続きましたが、競争に勝てずに撤退という決断を下したのです。
他にも「Wolt」は撤退こそしなかったものの、親会社が従業員を大幅削減するなど事業の縮小を余儀なくされています。

日本撤退の理由とは?

こうしたフードデリバリーの日本撤退や事業縮小の動きは、激しい競争が大きな要因となっています。
1、2年のうちに何社ものサービスが一気に出てきて、消費者の奪い合いがなされてきましたので、その競争に勝てないサービスが自然と淘汰されていったわけです。
特に、フードデリバリーはプラットフォームの構築や利用店舗への営業、知名度を上げるための宣伝などのために莫大な資金を必要とします。
しかも、拠点を広げる度に資金を投入していけなければなりません。
こうした資金の流出に対して、競合との争いによって利益が奪われる状況は割に合わないものとなってしまったのです。

また、日本では労働力の不足も大きな問題となっています。
そもそも日本はどの業界でも労働力不足が深刻化している状況です。
そこに収入が不安定になりがちな個人事業主としての立場でのフードデリバリーの仕事を提供しようと思っても、なかなか働き手が集まらないわけです。
また、働きたいという人も知名度が高いサービスを選ぶ傾向にありますので、新規サービスでは必要な人員を確保するのが難しい状況となっていました。

その中でも勝ち残る企業もある

そうした中でも、競争に勝ち残ってサービスを続けられる企業もあります。
やはりウーバーイーツはフードデリバリーの中でも知名度の高さや、システムの安定性などのメリットを持っているため、非常に強い勢いを持っています。

また、国内サービスの大手である出前館も堅調な事業展開をしています。
成長こそ伸び悩んでいますが、堅調な収益を出していて競争に勝ち残る力を十分に保っています。
このように、これからさらに淘汰が進み、少数のサービスに集約されていくものと思われます。