出前館のビジネスモデル

出前館は売上増加も営業利益は赤字

フードデリバリーは、日本でも新型コロナウイルス感染症の影響で一気に普及しました。
いくつものサービスが存在しますが、ウーバーイーツと共に代表的な存在となっているのが出前館です。
そのビジネスモデルは、飲食店からのデリバリーの代行をすることによって飲食店から代金の10パーセントにあたるサービス利用料と、30パーセント程度の配達代行手数料を受け取るという形です。

ウーバーイーツでは100パーセントの割合で、配達スタッフは業務委託という形で依頼しています。
しかし、出前館はアルバイト社員という形態で雇用契約を結んでいます。
地域によっては自社配達ではなく外部スタッフによる配達代行もしていて、いわゆるハイブリッド形式でのサービス提供を行っているのが特徴です。

その出前館は、コロナ禍の影響によって売り上げを急速に伸ばしました。
特に2020年の伸びは大きく、前年同月比で110パーセントから120パーセント超の売上アップを達成した月もあります。
このように、売上自体は伸びているのですが、トータルで見ると営業利益は赤字となりました。
2020年の決算資料によると赤字分として10億円近いマイナスを出しています。

しかし、これは新しい拠点を設置する投資分であったり、宣伝広告費が大きな圧迫となったためです。
急速に営業エリアを拡大したことに伴う初期費用という面もあるわけです。

LINEと提携してサービスを拡大

出前館ではさらなるサービス拡大を目指して、LINEとの提携をしました。
LINEが持っているデリバリーシステムに出前館が入り込むことによって、日本全国に8,000万人いるとされるLINEユーザーが出前館のデリバリーを利用できるようになります。

また出前館としても、IT分野で最新の技術とアイディアを持つLINEとの提携によって、システムの効率化を図ることができます。
LINE上でのマーケティングも可能となり、効果的な宣伝ができるのも大きな点です。

非接触デリバリーを開始してリスクを減らす

もう一つ出前館が取り組んできたのが、非接触デリバリーというサービスです。
フードデリバリーはコロナ禍で伸びましたが、やはり配達員のコロナ感染などのリスクが生じてしまう状況でした。
そこで会計は完全にキャッシュレスにしたり、商品の受け渡しは対面で行わないなどの方法を採ったりすることによって感染リスクを軽減することができました。

コロナが収束している状況であっても、気軽にデリバリーを使いたいというユーザーは、現在でも置き配を望むケースがあるので非接触デリバリーは大事な選択肢となっています。
こうした手法を取ることで、さらに効率化が図られているわけです。